サーフィン5年目。ここまでを振り返る。

目次

① 海に入れない日々。

今は7月。

サーフィンを始めて5年目の夏だ。

いつもなら毎日、1日2回くらい海へ入っている時期。

先週、風邪をひき、海が大好きな息子とともに、一週間ほど海に入るのを我慢している。

そして、「もう大丈夫かな」と思って久しぶりに海へ入った。

一週間ぶりの海は、あたたかさも色も動きもすっかり変わっていて、夏になっていた。

梅雨は終わった。クラゲが出る前、最高の時期。

とても気持ちよかった。

ところが、海から上がった瞬間、咳が止まらない。

海の上では何ともなかったのに。

その日の夜、熱は39.5℃まで上がった。

人生で初めての高熱だった。

そこからまた海に入れない日が続いている。

毎日海へは行く。

でも、見学だけ。

もどかしい。

それでも、「こういう時間なんだろうな」とこの5年間を振り返ってみた。


② 「一生やる」とすぐにわかった、あの瞬間。

5年前。

福岡から宮崎へ引っ越した理由は、サーフィンではなかった。

あたたかい場所で、妻の故郷で、新しい家族をつくっていくこと。

それが目的だった。

海が好きだったから、海の近くに住んだ。

ただ、それだけだった。

引っ越してすぐ、福岡で唯一サーフィンをしていた友達が遊びに来た。

「ここならサーフィンするしかないだろ。」

そう言ってサーフボードを譲ってくれた。

キムタク憧れ世代でもあるし、昔から心のどこかでサーフィンへの憧れはあった。

だから、迷わずスクールへ行った。

この時、おれは泳げない。金づちだ。

コーチにボードを押してもらい、初めて波に立った、その瞬間。

腹の底から自然と息が漏れた。

「シューーーッ。」

と腹から声が出た。

体の中にたまっていた何かが、一気に抜けていくような快感だった。

これが忘れられない。

そして、その瞬間に思った。

「これは死ぬまで一生やるやつだ。」

そう感じたあの一瞬を今でもはっきり覚えている。

これ、

一生かけてもやり尽くせないやつだ。

だからこそ、一生夢中になる。

そう直感した。

あの日から毎日海へ通う生活が始まった。

最初は恐怖との戦いだった。

流されたらどうしよう。

リーシュコードが切れたらどうしよう。

何も分からない。

ルールも知らない。人とぶつかりそうになる。どっちが悪いかもわからない。

それでも毎日海へ向かった。


③ 技術より大切なものに気づかされた

2年目になると、「いつうまくなるんだろう。」そればかり考えていた。

毎日YouTubeを見る。

技術を調べる。

海で試す。

また動画を見る。

完全に技術オタクだった。

でも3年目になる頃には分かってきた。

サーフィンは、そんな簡単にはうまくならない。

海に行って、一本も乗れない。そんな日も全然ある。

1時間サーフィンして、板の上に立っていた総時間、5秒とか、全然ある。

それでも楽しかった。

そんな頃、相棒のボードが壊れた。

そこで始めたのが、ムラサキスポーツのサブスクだった。

3日に1回ムラスポへ通い、いろいろな板に乗った。

いろんな店員さんと話した。

半年間だったけど、この経験がおれのサーフィンを大きく変えた。

板によって全然違う。

素材でも違う。

そして、一番変わったのは「見える景色」だった。

それまでは、自分しか見ていなかった。

どう立つか。

どう曲がるか。

どうすればうまくなるか。

でも違った。

その前に波がある。

どんな波なのか。

どこで割れるのか。

いつ良くなるのか。

波を見ることも技術なんだ。

そこから毎日の「準備」が変わった。

天気を見る。

風を見る。

潮を見る。

とにかく海を見る。

仕事の予定も見る。

体調を整える。

明日の一本のために今日を過ごす。

サーフィンは海へ着いてから始まるんじゃない。

前日から始まっている。

ただがむしゃらに毎日やっていればいつか乗れるってもんでもないと気づき始めた。

やっぱり必要なのは「いい準備」だ。


④ 人生とサーフィン

気づけば5年目になった。

5年前に想像していた5年目とは少し違う。

もっとうまくなっていると思っていた。

もっと自由に乗れていると思っていた。

でも、焦りはない。

今も楽しさと快感とワクワクに満たされている。

確実に新しい景色へ進んでいることも毎日感じる。

この5年間で大きく変わったことは、

「見える景色」だ。

最初は自分しか見えていなかった。

次に板を見るようになった。

そして波を見るようになった。

今は、人生もよく見えるようになってきた。

20歳くらいの頃、なんとなく思っていた。

「サーフィンで波に乗れるようになったら、人生の波にも乗れるんじゃないかな。」

今ならこう思う。

半分は、その通りだった。

でも、もう半分は違った。

人生の波も、サーフィンの波も、

そんな簡単には見つからない。

そんな簡単には乗れない。

だから夢中になる。

だから毎日海へ向かう。

サーフィンは、波をコントロールするスポーツじゃない。

波を見て、

感じて、

合わせて、

乗る。

人生も同じだ。

思い通りにしようとするほど苦しくなる。

流れを見て、

自分を整え、

その瞬間に合わせる。

海は毎日、それを教えてくれる。

まだ5年だが、サーフィンのおかげで人生が救われたことがたくさんある。

初めて波に立った日に思った。

「これは一生やる。」

あの感覚は間違っていなかった。

まだまだこれから。

まだ見たことのない美しい景色を求めて、それを楽しみに生きている。

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