【中学受験しくじり】“中学ゴール”で止まる男子たち

中学受験の現場で15年間、
生徒と向き合ってきて、
いちばん多く見た失敗──

それが 「中学ゴール」 という落とし穴です。

中学受験を目標に、
子どもも親も全力で走り抜ける。
たしかにそれはすごいこと。
でも、「受かったら終わり」 になってしまうと、その先に待っているのは、
“燃え尽き”と“急激な成績低下” です。

中高一貫校に進んだのに、わずか1年で「どうにかしてください」と連絡が来る──
そんなケースを、毎年毎年見てきました。


中学受験が終わった瞬間に、すべてが崩れる

とくに男子の場合、
受験までの生活に**“我慢”と“制限”**が多いと、
中学に入った瞬間に「もう自由にさせて」と、完全に気が抜けてしまう。

そこにスマホ、SNS、ゲーム、YouTube…
楽しい誘惑があふれる中で、
“自分で自分を律して勉強する”ことができなければ、どんどん後退していきます。

よくあるのが、英語でつまずくパターン
暗記も多く、
ルールも複雑で、
楽しみ方を知らないとあっという間に遅れていきます。
難関校に合格した子でさえ、中1の1学期で「英語がわからない」「もう無理」となってしまう。


塾を楽しんでいた子でも
“中学ゴール”になる場合がある

もちろん、塾での勉強を楽しめていた子は強い。
でも、それでも“中学ゴール”になる子もいます。

それは、塾を愛しすぎていたタイプ
言い換えると、塾という環境がないと勉強できなくなっている子です。

塾に依存しすぎて、自分で考えて動く力が育たなかった。
そういう子は、塾というサポートがなくなった瞬間、動けなくなる。

塾としてはありがたいですが、
教育者としてはそのままにしておけない。
だからこそ、中学受験の段階で
“自立”の方向に切り替えていく必要があるんです。


目次

じゃあ、どうすれば“中学ゴール”を避けられるのか?

実際に中学・高校とすんなり伸びていった子たちには、共通点があります。
それは、
“勉強の価値”を自分なりに理解していたこと

この「勉強を自分事として捉える力」
がある子は、
中学受験の後も自然に勉強を続けていけます。


【1. 勉強の意味と価値を自分で考えた経験】

私自身の経験ですが、
中1のある日、英語の課題を提出するために、私は友達のノートを写していました。
それを見た友人がポツリ。
「それ、意味ないじゃん」

その言葉でハッとした。
提出することが目的になっていて、
中身は全く頭に入っていない。
むしろ提出しない方がマシかもしれない、と。
時間のムダ+その範囲の英語を学ぶ機会損失だ。

と瞬間で悟りました。友人のおかげです。

この経験をきっかけに、
「勉強の本質ってなんだろう」と考えるようになりました。

そして、そういう価値観を当たり前に持っている仲間が周りにいる環境にいることが誇らしかった。


【2. “勉強すべきタイミング”を体で覚えている】

テスト前になると、自然と火がつく。
授業中に集中することが、いちばん効率がいいと体感で理解している。
そして、テスト大会が始まると、勝手に燃える。

こういう子は塾がなくても、
自分でペースをつくって進めていける。

それは“やらされる勉強”ではなく、“攻略している感覚”を知っているから。

この感覚は、中学受験期に「勉強って面白い」と思えた瞬間から身についたものでした。


【3. 答えのない問いに向き合う力】

「勉強する意味って、何?」

この問いに、明確な“正解”はありません。
そもそも、
世の中には答えのない問いがたくさんある
まずは、そのことに気づくことが大事です。

そして、「答えを探す」ことに慣れすぎてしまうと、
自分の頭で考える力が育たなくなる。

勉強も人生も、“これが正解”なんて簡単に言えるものじゃない。
でも、その中で**「自分なりの答え」**を考え続ける姿勢が、何よりも価値ある力になります。

これは大人になってもまったく同じ。
最初から「正解」を求めるクセが抜けない大人も多いですよね。
そういう場面で、
「自分で考えられる人」はやっぱり強い。

自分の頭で考え、自分の言葉で語れる。
それは中学受験だけでなく、
これからの時代を生きていく上での、
大きな武器になります。


教訓:中学受験の“終わり方”が、その後の人生をつくる

中学受験はゴールではない。
でも、頑張って合格を勝ち取った時点で、親も子も「燃え尽きてしまう」ことは珍しくありません。

だからこそ、
“中学受験の終わり方”を、きちんと考えておくことが大切。

子ども自身が、
・なぜ勉強するのか
・なぜ努力してきたのか
・どうすれば続けられるのか

こうした問いを、自分なりに考えられるように導くこと。
それこそが、親や指導者の大事な役割です。

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この記事を書いた人
教育と人生を、ゲームのように“攻略”する。
スパルタ野球、中学受験、迷走と挫折、そして再出発。
出会いと学びを経て、たどり着いたのが今の塾のかたち。

男子専門塾「ひなたひかり塾」代表。
15年の指導経験と、自身の“攻略”体験をもとに、
特に男子に特化した個別最適な声かけ・導きを得意としています。

塾は、ただ勉強を教える場ではなく、「人生をどう攻略するか」を学ぶ場所。
楽しみながら本気で向き合えば、子どもは必ず変わる。

スプラ・サーフィン・子育て・教育を愛する本音系先生です。

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