① 自走できるのか
中学受験では
「自走は可能か?自走は必要か?」
とよく言われる。
おれの答えは半々だ。
家庭学習はある程度管理できる。
でも塾の時間は管理できない。
そして塾の時間は長い。
受験が近づくほど、どんどん増えていく。
だから
「授業を受ける力」
がかなり大事だと思っている。
集団授業を13年やってきた。
肌感で言うと、
こちらの意図をしっかり受け取って
吸収できている生徒は
各クラスの3分の1くらいだ。
そしてそのメンバーが
入れ替わることはあまりない。
授業をやっている先生から見て、
自分の子がそのメンバーに入れているのか。
そこの情報がどんな情報よりも一番大事だ。
そのメンバーに入っている子たちにはいろんな共通点がある。
予習をして授業への没入度を上げているというのもある。
ただ、それとは別に大事なものがある。
そのひとつが
中学受験を通して、男のロマンを感じているかだ。
少年たるもの
何ごとにも大なり小なりロマンを持っている。
少年たちに「ロマン」という概念はない。
でも確実に感じている。
中学受験の世界に入っても
その感覚を拾ってもらえる環境にいるか。
要するに
楽しめてるかどうか。
男子の根っこは、遊び人だ。
② 男のロマンとは
奥さんにもよく言われる。
「男のロマンってよく聞くけど、なにそれ?」
言葉にするのは難しい。
でも男子なら
なんとなくわかる。
魂がそそられるか。
ワクワクするか。
おもしろそうか。
なんか壮大か。
だいたいそんな感じだ。
男のロマンとは
快の入口。
夢中になる入口だ。
人それぞれだ。
男子は
それを感じた瞬間に
夢中に入る。
そして夢中に入ると
時間を忘れる。
これが
中学受験男子のスイッチだ。
③ 俺の授業
それを
意図的にくすぐろうとするのは違う。
こどもは操れない。
操ろうとしていると感じると
こどもは距離を置く。
だから
見て
感じて
合わせる。
おれも楽しむ。
それだけだ。
そのスイッチが動く瞬間は
授業をしているとよくわかる。
例えば昨日の生徒(小6男子)。
算数はトップクラス(四谷65以上)。
聞いてくる内容も深い。
だからおれは
解説をあまりしない。
トップ層の生徒は
詳しい解説を求めていない。
「わからせてもらおう」
という生徒は
トップ層にはいけない。
自分なりの自信や自尊心がある。
そこを尊重する。
こちらから聞く。
「どういう問題?」
「問題くんは何を言ってる?」
話をしながら
感じて、合わせる。
するとある瞬間
「あ、そっか」
と言って
そこからはおれを置いて
トップスピードで走り始める。
そのまま残り40分走り切ったりする。
自分の力でどんどん進む。
彼は理科に関しては算数ほど得意ではないから
基本から抜けていたりもする。
そういう時は問題を音読するところから始める。
まず問1。
合っている問題でも思考の流れと詰まりを確認する。
おれと
問題と
本人。
この三つが合ったとき
「あ、分かったかも」
と言って
またおれを抜いていく。
そんな感じだ。
この状態に入ると
授業はあっという間に終わる。
だからおれの授業の基準は昔から一つ。
授業が
「あっという間だった」
と感じたかどうか。
快に入っていれば
時間は一瞬で過ぎる。
④ 息子(2歳)も同じ
チビでも同じことが起きる。
息子は普段、あまりこちらを見ない。
振り向きもせず
遠くまで走って
冒険に出る。
家でも外でも
とにかく何かに夢中だからだろう。
名前を呼んでも
返事をしないこともある。
都合のいいときだけ
何か言ってくる(笑)
公園に行って
海に行って。
帰ろうかと言えば暴れるから
おれも腹を決めて
一緒に遊ぶ。
好きにさせながら
おれも好きにやる。
ただ、どこかで
合う瞬間がある。
おれの作った泥団子が
気に入ったり。
おれが棒を投げていたのが
おもしろかったり。
何かが彼の中で
おれと合う瞬間。
こっちを見て
目が合う。
ニヤッとする。
母ちゃんのことは大好きだけど、
それとはまた違う
おれとのノリ。
親父からつないだバトンを渡したことを感じる幸せな瞬間。
⑤ 男のロマン込みの勝てるチーム編成を
中学受験はチーム戦だ。
家庭。
本人。
塾。
お母さんたちがやっていることは
とても大事だ。
家庭学習の管理。
生活のサポート。
これは役割分担の話だ。
家庭には家庭の役割がある。
そして塾には塾の役割がある。
おれの役割は、
男子を
気持ちよく戦わせること。
男のロマンを拾って、一緒に楽しむことだ。
男子は男のロマンで動く。

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