おれは社会を変えるスーパーヒーローではなかった話

リアルタイム事件簿
まさかの終結

変わったのは社会ではなく、俺自身だった

① リアルタイム事件簿・まさかの終結

前回の記事(10/20)では、かなり戦う姿勢だった。

俺の中では勝つ気満々だった。
俺が「正しい」し、「正義」だと思っていたから。

娘を守るため。
大人としての姿勢を見せるため。
教育に関わる人間として、
「これは見過ごしたらダメなやつだ」と本気で思っていた。

相手は中学校、市教委だ。

同じような事案が、4回起きている。
これは偶然じゃない。
構造の問題だと、はっきり思っていた。

だから戦う気でいた。
言葉を尽くし、論点を整理し、
逃げ道をふさぎ、認めさせ、改善させる。

——勝てる。
いや、勝たなきゃいけない。

そう思って疑わなかった。

でも、最終的に、
世間を揺るがすような大事件にはならなかった。

謝罪会見もない。
報道も出ない。
制度が劇的に変わることもない。

まさかの終結。
拍子抜けするくらい、静かに。

変わったのは社会ではなく、俺自身だった。

② 戦っていた理由

——それは「怒り」だった

俺を動かしていた原動力はシンプルだ。

怒り。

明らかに誰かがごまかした。
あるいは、
「見ないふり」をした。

その結果、
娘が悲しい思いをした。

それがどうしても許せなかった。

怒りの矛先を、
はっきりさせたかった。

誰が悪いのか。
どこが間違っていたのか。
それを認めさせ、
二度と起きないようにしたかった。

でも、
説明は濁され、
言葉は逃げに入り、
責任の所在は曖昧にされた。

そこで、
怒りはさらに増えた。

「ごまかすな」
「うやむやにするな」
「それで済むと思うな」

——それが、当時の正直な気持ちだった。

③ 娘と会って、現実に戻った日

転換点は、娘と直接会った日だった。

娘は、楽しそうに学校の話をしていた。

今回のことで、
俺と娘の絆が、
むしろ深まったことを感じて、とても嬉しかった。

「パパはいないんじゃない。
 いつでも、飛んで出てくる。
 いちばんの宝物」

娘は、
「ありがとう」と受け取ってくれた。


こんなふうに、
真正面から気持ちを交わせたのはものすごく久しぶりで感動した。

そして怒りの気持ちが変わってきた。

勝つことでも、
正すことでもない。

——娘の日常が、楽しく送れているか。

④ 年明け、もう一度だけ確認した

戦う熱は、もう冷めていた。

それでも、
市教委がこの件を
どう考えているのかだけは、
もう一度、確認したかった。

年明け、メールを送った。

1週間くらいの長考の末、返ってきた答えは、
「内部のことは答えられません」だった。

ああ、
これが市教委の最終意思なんだな、と
はっきり感じ取った。

これ以上、
ここでやりとりを重ねても、進まない。

市長ステージか。
法的根拠を示して、情報公開請求か。

次の一手が浮かんだ。

⑤ 凪の木崎浜で、立ち止まった

とりあえず俺は、大好きな場所に行った。

木崎浜。
天気塔の下。

森があって、海があって、
太陽と風、地球を感じる場所。

そこで返信案を一生懸命作っていた。
戦いモード復活だ。

宮崎の冬と梅雨の海は、凪になることがある。

その日も、
快晴で、凪だった。

海は静かで、そこでふと思った。

考えるな、感じろ。

感じたのは、

——今日は、やめよう。

無理に返信を作らなくていい。
無理に波を起こさなくていい。

また、サーフィンと同じだった。

感じて、気持ちよく、動けてるか

行動の判断基準は、いつもそれ。

⑥ 気づき

感じて、気持ちよく、動けてるか

ここで、ふっと力が抜けて、気づいた。

俺はスーパーヒーローじゃない。

その気づいた現実に、少し寂しさを感じた。

俺はずっと自己肯定感が強かったし、
今でも自分が好きだし、誇りに思っている。

だからどこかに、
「俺なら何でもできる」という感覚がある。

それを否定して、たたむような気がして、
少し寂しかった。

でも同時に、
それ以上に大きな安心と未来へのワクワクがあった。

無理に背負わなくていい。
主役にならなくていい。
ぜんぶついてくる。

もう持っている。
あとは使い方だけ。
気持ちよく、スマートに。

⑦ まさかの終結

今回、社会は変わらなかったが、俺が失ったものは何もない。

それどころか、
かけがえのない成果物が残った。

娘ふたりが、
「かっこいいパパ」
「強いパパ」
「誇れるパパ」
だと思ってくれていること。
これを強く感じて幸せだった。

それが、今回の最大の成果。

そしておれは貴重な経験ができた。
自分で感じて、学んだ。
百聞は一見にしかず。

今回も、ド底で掴んだものは大きかった。
人間万事、塞翁が馬🐎

正しさだけで社会は動いてない。
スーパーヒーローじゃなくていい。

感じる。
自分の立ち位置を感じる。
自分が一番気持ちいいところに流れる。

それだけでいい。

考えるな、感じろ。

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